トップへ戻る
ニュース / 業界動向Jul 29, 2026Traackr

2025年ホリデー商戦が示した、2026年のクリエイター施策の勝ち筋

2025年のホリデー商戦では、主要テーマの投稿量が前年から増えた一方、投稿ごとの注目度はほとんど伸びなかった。 大型セール期の投稿量は2.5倍に増えたが、投稿ごとの注目度は63%低下し、エンゲージメント率も0.80%から0.52%へ下がった。 成果を出したブランドは、既存のクリエイター関係、自然発生的な反応、保存されやすい投稿形式を重視していた。 Instagramで保存を集めたのは、複数ブランドを含む実用的な投稿、家庭内の接写、暖色系の見せ方、明確な行動喚起だった。

2025年ホリデー商戦が示した、2026年のクリエイター施策の勝ち筋

Traackr(クリエイターマーケティング分析ツールを提供する企業)は、2025年第4四半期のホリデー商戦におけるクリエイター施策の実績を分析した。投稿数や起用クリエイター数が増えても、投稿ごとの注目度やエンゲージメントは広く低下し、量を増やすだけでは成果につながりにくい状況が示された。

投稿量の増加に注目度が追いつかなかった

Traackrは、ビューティー、パーソナルケア、ファッション、食品・飲料、成人向け飲料の領域を対象に、2025年第4四半期と2026年前半のクリエイターマーケティング実績を分析した。ホリデー商戦は、米国などで年末の大型購買期を指し、ブランドにとって重要度の高い期間にあたる。

ブラックフライデーとサイバーマンデーを合わせた大型セール期、靴下に入れる小型ギフト、アドベントカレンダー、ギフトガイド、ホリデー購入品紹介といった主要テーマでは、投稿量が前年から増えた。しかし、投稿ごとの注目度はほとんどのテーマで伸びなかった。

最も顕著だったのは、大型セール期の投稿だった。コンテンツ量は2.5倍に増えた一方、投稿ごとの注目度は63%低下し、エンゲージメント率は0.80%から0.52%へ下がった。

ギフトガイドだけが量と注目度を同時に伸ばした

主要テーマの中で例外となったのがギフトガイドだった。投稿量は20%増え、投稿ごとの注目度も17%伸びた。単独ブランドの限定訴求より、複数ブランドを扱う実用的なコンテンツが注目を維持したことを示す結果となった。

カテゴリーをリードしたブランドは、最も多く投資したから成果を出したわけではなかった。年初から関係を持っていたクリエイター経由の注目が57%を占め、市場全体の51%を上回った。

さらに、上位クリエイターからナノクリエイターまで、すべての階層で伸びを確保した。市場全体では上位層で後退が見られたが、先行ブランドは幅広いクリエイター層で成果を積み上げた。

自然発生的な反応とアフィリエイト面にも差が出た

リードするブランドでは、注目の78%がオーガニック、つまり広告配信によらず獲得した反応から生まれていた。市場全体の71%より高く、有料配信を重ねる前に自然発生的な土台を築いていた点が特徴だった。

アフィリエイト、つまり紹介経由の購入や成果に応じて報酬が発生する仕組みでも変化が出ている。TikTok ShopとShopMyは注目度がそれぞれ161%、157%増えた。一方、LTKとAmazonは投稿数が増えているにもかかわらず、注目度は低下した。

この結果は、投稿量の多さや従来型の配信先だけでは、注目を取り切れない状況を示している。Traackrは、混雑する年末直前に声量を上げるより、機能しているクリエイター関係とコンテンツ形式を早く把握し、事前に積み上げる必要性を強調した。

保存される投稿には具体的な特徴があった

Traackrは、マルチモーダルAI分析、つまり画像や文章など複数種類の情報を扱うAI分析を使い、1万279件の投稿を調べた。混雑したフィードの中で、保存や共有につながる要素を確認するためだ。

Instagramでは、1ブランドだけを扱う投稿より、6〜10ブランドが画面内に入る投稿の保存数が2.44倍高かった。撮影の場面では、家庭内での接写が強く、イベント会場での全身写真は保存数が0.43倍にとどまった。

色使いでは、桃色やバーガンディのような暖色系がInstagram保存数を最大3.54倍押し上げた。一方、銀や金といった祝祭感のある金属色は伸び悩んだ。明確な行動喚起は保存数を1.35倍高めたが、そうした呼びかけを含む投稿は全体の24%にとどまった。

2026年に向けた分析の位置づけ

Traackrの最高経営責任者で共同創業者のピエール・ロイック・アサヤグ氏は、ホリデー商戦をブランドにとって最も難しく、重要な季節だと位置づけた。継続的に成果を出すブランドは、必ずしも施策量を増やしているのではなく、早く計画し、信頼したクリエイター関係を活用し、重要な指標を測り、学びを蓄積しているという。

同社の2026年版ホリデーシーズン報告書は、77万人超のクリエイターと1,200万件超のコンテンツ、さらにLumanu(クリエイター向け支払い関連サービス)の独自支払いデータをもとにしている。詳細版では、2026年のホリデー商戦に向けたデータに基づく5つの施策を示すとしている。

What this means

2025年のホリデー商戦では、投稿量や広告投下を増やしても、投稿ごとの注目度は広く低下した。成果を出したブランドは、早い時期から関係を築いたクリエイターを活用し、自然発生的な反応を土台にしていた。保存されやすい投稿は、華やかな単独ブランド訴求より、実用性が高く、商品が密に見える暖かい表現に寄っていた。