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データ・レポート / ベンチマークSep 30, 2026Net Influencer

クリエイターマーケティングで投資対効果3倍以上のブランドが48%に、課題は連携へ移行

ブランドの48%がクリエイターマーケティングで3倍以上の投資対効果を報告し、前年の37%から上昇した。平均投資額も増えているが、最大の障害は効果測定そのものではなく、マーケティングシステム全体にデータと業務を組み込む難しさへ移った。コンテンツ再利用、人工知能の活用、組織横断の運営が広がるほど、プログラムの複雑さも増している。

クリエイターマーケティングで投資対効果3倍以上のブランドが48%に、課題は連携へ移行

Net Influencerは、クリエイターマーケティング支援ツールを提供するCreatorIQの年次調査「クリエイターマーケティングの現状」第7版を紹介した。9カ国のブランドと代理店の意思決定者2,000人を対象にした調査で、投資対効果(投下した費用に対して得られた成果)が高まる一方、データや業務の連携が新たな主要課題として浮上している。

投資対効果3倍以上のブランドが48%に拡大

CreatorIQと調査会社Sapio Researchによる調査では、クリエイターマーケティングで3倍以上の投資対効果を得たブランドが48%に達した。前年の37%から上昇し、5倍の投資対効果を報告したブランドの割合は倍増した。

2026年の組織あたり平均投資額は480万ドルで、前年比33%増となった。大企業の投資額は880万ドルに達し、前年より約200万ドル高い。損益分岐点または赤字と答えた割合は13%で、前年の21%から低下した。

少なくとも2倍の投資対効果を報告した組織は81%に上る。5倍の成果を得ているブランドの8割は、マーケティング予算全体の半分超をクリエイターマーケティングに投じていた。代理店の73%も、顧客の投資対効果が改善したと回答した。

最大の障害は効果測定からシステム連携へ

長く最大の課題とされてきた効果測定に代わり、今年はクリエイターマーケティングのデータと業務をマーケティングシステム全体に統合する難しさが首位になった。これを障害に挙げたブランドは27%だった。

次いで、チームや機能をまたいだ調整の難しさが26%、インフルエンサーの成果測定の難しさが26%で続いた。一方、人員不足と予算不足はいずれも18%まで下がり、制約要因としては下位に移った。

測定への自信は高く、77%のブランドがクリエイターマーケティングの事業への影響を測定できると答えた。ただし、測定手法は分散している。売上や収益への貢献を紐づける方法が19%で最多、複数施策の売上影響を統計的に推定するマーケティングミックスモデリングと、各プラットフォームの管理画面の利用がそれぞれ18%で続いた。

クリエイターコンテンツの再利用が広がり、運営主体は分散

ブランドの99%がクリエイターコンテンツを再利用しており、56%はSNS以外にも活用している。主な転用先は有料SNS広告やデジタル広告が26%で最も多く、自社SNSが17%、ウェブサイトが13%だった。11%は、社内資料や経営層向け資料を主な利用先として挙げた。

クリエイターマーケティングに関わる人数は、ブランドで平均36人、代理店で平均41人に増えた。ブランドの61%は、関与人数が過去1年で増えたと回答している。

ただし、担当組織は一本化されていない。ブランドマーケティング部門が主に実行を担うブランドは20%にとどまり、SNS部門が16%、有料メディアや成果重視マーケティング、収益マーケティングの部門が15%で続いた。専任のクリエイターマーケティング部門は13%だった。

人工知能は効率化と複雑化を同時にもたらす

投資を増やしたブランドの41%は、人工知能(文章や画像などの生成や分析を自動化する技術)による効率化を要因に挙げた。一方で、47%の組織は人工知能によって日々のクリエイターマーケティング運営が複雑になったと回答している。複雑さが減ったとする回答は37%だった。

複雑化の負担は代理店でより大きく、50%が増したと答えた。ブランドでは45%だった。ブランド側では人工知能が生成した出力の正確性と信頼性を確保すること、代理店側ではスピードと生産性に対する顧客の期待上昇が主な負担になっている。

今後3年間でクリエイターマーケティングへの信頼を脅かす要因として、ブランドと代理店の双方が人工知能で生成されたコンテンツを最上位に挙げた。割合はいずれも16%だった。完全な人工知能置き換えを避けたい業務としては、クリエイターとの関係管理が36%で最多となった。

高成果ブランドほど複雑な運営を採用

5倍の投資対効果を報告したブランドは、運営を単純化して成果を得ているわけではない。クリエイターマーケティングに関わる人数は平均48人で、損益分岐点のブランドの31人を上回った。マーケティング予算全体に占める比率も66%で、全ブランド平均の48%より高い。

5倍成果のブランドでは、人工知能がプログラムの複雑さを増したと答えた割合が63%に達した。損益分岐点のブランドでは42%だった。適合性、ブランド毀損を避ける安全管理、リスク管理を非常に重要または極めて重要とした割合も73%で、損益分岐点のブランドの57%を上回った。

クリエイター起点のコマース(クリエイターの投稿や紹介を購買につなげる販売活動)でも同様の傾向が出た。これをマーケティングまたは収益戦略の中核とするブランドの68%が、3倍以上の投資対効果を報告した。ブランドが戦略上最も重要とするプラットフォームはInstagramが23%で首位、代理店はTikTokが21%で最も多く、クリエイター側ではブランドコンテンツの主要プラットフォームとしてTikTokが52%を占めた。

What this means

クリエイターマーケティングは、投資対効果と予算規模の両面で拡大している。課題の中心は、効果を測れるかどうかから、データ、業務、組織をどう統合するかへ移った。高い成果を出すブランドほど、人員、予算、リスク管理、コマース活用を広く組み合わせ、単純化ではなく複雑な運営を前提にしている点が示された。