インフルエンサーマーケティング予算は増加、フォロワー数の影響力は低下
調査はPanoplai(調査会社)がSprout Socialのために実施し、米国・英国・豪州の消費者2,250人と、米国・英国のソーシャルメディア担当者296人を対象にした。 マーケターの54%は予算が1〜10%増えたと回答し、22%は11%以上の増加を報告した。投資対効果を示す圧力も強まっている。 消費者の3分の2は過去1年にインフルエンサーの推薦をきっかけに購入しており、Z世代では81%が少なくとも1回購入した。 フォロー判断でフォロワー数を重視する消費者は17%にとどまり、従業員による発信への関心とAIインフルエンサーへの慎重な見方も示された。

Net Influencerは、Sprout Social(ソーシャルメディア管理ツールを提供する企業)の調査レポート「影響力の次の波:AIインフルエンサー、従業員アドボケイト、ポストフォロワー時代」を紹介した。マーケターの75%超が過去1年でインフルエンサーマーケティング予算の増加を報告する一方、消費者とマーケターの双方でフォロワー数の重要性が下がっている。
調査対象と予算増加の実態
Sprout Socialのレポートは、Panoplaiが実施した2つの調査をもとにしている。消費者調査は2026年5月14〜20日に米国、英国、豪州の2,250人を対象に行われ、マーケター調査は2026年3月20日〜4月6日に米国と英国のソーシャルメディア担当者296人を対象とした。
マーケターの54%は、過去1年でインフルエンサーマーケティング予算が1〜10%増えたと回答した。さらに22%は11%以上の増加を報告し、横ばいは19%、減少した回答は合計5%にとどまった。
投資対効果の証明と目的のずれ
予算が増えるなかで、ROI(投資対効果:投じた費用に対して得られた成果)を示す社内圧力も強まっている。マーケターの33%は、大幅な予算増加につながる最も重要な要因として、ROIの具体的な証拠を挙げた。
一方で、キャンペーン目的は必ずしも直接販売に寄っていない。マーケターの50%はブランド認知、46%はブランド信頼をインフルエンサー施策の上位3目的に選び、直接販売やコンバージョンを挙げた割合は24%だった。
主な課題としては、ブランド価値に合うクリエイターの発見が42%、ROI測定が41%、ターゲット層に合うクリエイターの発見が38%だった。開示や法令順守の指針は32%、競合との成果比較は30%に上った。
消費者の購入行動とフォロワー数の低下
消費者側では、インフルエンサーの推薦がすでに購入につながっている。過去1年に推薦を直接のきっかけとして購入した消費者は3分の2に達し、29%は10回以上購入していた。Z世代では81%が少なくとも1回、推薦をもとに購入した。
フォローするかどうかの判断でフォロワー数を挙げた消費者は17%だった。これに対し、クリエイターが扱う話題は47%、提携しているブランドや企業は29%、直近投稿の質も29%となり、フォロワー数は主要な判断材料から外れつつある。
購入意向でも同じ傾向が見られる。推薦をもとに買う可能性について、33%はオーディエンス規模が影響しないと答え、21%はニッチなインフルエンサーを好み、15%は大規模なインフルエンサーを好むと回答した。
Instagramの発見構造も変化を裏づける
Sprout SocialによるInstagram分析では、アルゴリズムによる発見の広がりが示された。Reelsではクリエイターの60%、フィード投稿では50%で、閲覧者の70%以上が非フォロワーだった。
一方、Storiesで同じ条件に当てはまるクリエイターは10%にとどまった。レポートは、Storiesが既存フォロワー向けの機能であるのに対し、Reelsやフィード投稿はアルゴリズムによる発見の影響を受けやすいと整理している。
従業員発信の台頭とAIインフルエンサーへの慎重姿勢
従業員生成コンテンツ(従業員が勤務先の商品、サービス、職場を自ら発信するコンテンツ)は、従来のインフルエンサーマーケティングと並ぶ新しい領域として取り上げられた。消費者の半数超は、従業員が雇用主を宣伝または代表する投稿を少なくとも週1回見ており、40%は従業員の投稿を通じて毎月またはそれ以上の頻度で新商品を発見している。
世代をまたいで、40%は従業員インフルエンサーをブランド公式アカウントより本物らしいと受け止め、そうではないとした割合は19%だった。聞きたい相手としては、46%が現場従業員を選び、マーケティングチームの23%、経営幹部の10%を上回った。61%は、従業員が販促発信を行う場合は追加報酬を受けるべきだと答えた。
AIインフルエンサー(人工知能で生成された架空のインフルエンサー)には懐疑的な反応が多い。ブランドがAI生成インフルエンサーと提携することに対し、44%は抵抗があると答え、30%は状況による、25%は抵抗がないと回答した。また、消費者の80%超は、インフルエンサーが商品を宣伝する前に自分で使っていることを望んでいた。
What this means
Sprout Socialの調査は、インフルエンサーマーケティング予算が増える一方で、フォロワー数だけを根拠にした評価が弱まっていることを示した。購入行動にはすでに推薦が結びつき、投資対効果の証明が課題になっている。従業員発信は信頼されやすい領域として浮上し、AIインフルエンサーには慎重な反応が目立つ。