Traackrが分析した、2026年6月に伸びたラグジュアリー5ブランド
Traackrは、2026年6月のクリエイターマーケティング成果ランキングをもとに、ラグジュアリーファッションブランドの伸長要因を整理した。指標には、ブランド活力度スコア(VIT:クリエイターマーケティング成果を測るTraackrの複合指標)が使われている。GivenchyはAriana Grandeのツアー衣装、CelineはVとの継続的なアンバサダー関係、Jacquemusは複数の文化圏にまたがる著名人投稿、Vivienne Westwoodはソウルでのポップアップと著名人着用、Louis Vuittonはショーと社会的文脈を持つ企画が成果につながった。

Traackr(クリエイターマーケティングツールを提供する企業)が、2026年6月のラグジュアリーファッションにおけるクリエイターマーケティングの伸びを分析した。対象は世界のファッションブランド726社で、Givenchy、Celine、Jacquemus、Vivienne Westwood、Louis Vuittonの5ブランドが、ブランド活力度スコアで大きく順位を上げた。
分析対象は世界726のファッションブランド
今回の分析は、Traackrのクリエイターマーケティング成果ランキングに基づく。対象は2026年6月の世界726ファッションブランドで、対象プラットフォームはInstagram、TikTok、YouTube、Facebook、Xだった。
中心指標はブランド活力度スコア(VIT)で、クリエイター施策の成果を複合的に測るTraackr独自の指標にあたる。5ブランドはいずれも6月にVITを大きく伸ばし、ランキング上でも前月から順位を上げた。
GivenchyとCelineは、特定の関係性が大きな成果を生んだ
Givenchyは6月にVITを3万4500まで伸ばし、前月比287%増となった。順位は139位上昇して43位。伸びの大半はInstagram経由で、Ariana Grandeの「Eternal Sunshine」ツアー向けカスタム衣装だけで、同ブランド全体のVITのうち2万4000を占めた。
6月にGivenchyを投稿したクリエイターは824人だったが、5月にも投稿していたのは110人にとどまった。Traackrは、クリエイターを新規獲得、継続、離脱に分けて把握する「クリエイターライフサイクル」の見方を紹介し、一度の言及と継続的な関係を区別している。
CelineはVITが5万4700となり、前月比268%増で29位に上昇した。BTSのVによる1回の露出は、737万エンゲージメント、7440万リーチ、エンゲージメント率9.91%、推定広告換算価値(EMV:広告費に換算した推定価値)480万ドルを生んだ。Vは2023年3月からアンバサダーを務めており、Hedi Slimane期からMichael Rider期への移行をまたいで関係が続いている。
Jacquemusはショーの来場者、Vivienne Westwoodは店舗施策と著名人着用が押し上げた
Jacquemusは6月にVITを3万3900まで伸ばし、前月比138%増で44位となった。6月29日には、イル・ルースの崖を舞台に2027年春夏コレクション「Le Bonheur」を開催。500万超のフォロワーを持つVIPクリエイターが総エンゲージメントの57%を生み、Traackr上のVIT率は7.1%だった。
Jacquemusで上位投稿を生んだのは、韓国俳優のPark Seo-joon、フォーミュラ1周辺の文脈を持つAlexandra Leclerc、グラミー賞受賞後にアリーナツアー中だったOlivia Deanだった。地域別ではフランスが577万エンゲージメントで首位となり、米国299万、英国205万が続いた。
Vivienne WestwoodはVITが3万800となり、前月比100%増で50位に入った。伸びは上位クリエイターに集中し、500万超のフォロワーを持つVIPクリエイターが全体の約73%を占めた。ソウルのロッテワールドモール蚕室で開いたポップアップには、Jeon ChanghaとKarimova Elinaが登場した。
Louis Vuittonはショーと社会的企画を同時期に展開
Louis VuittonはVITが23万に達し、4億4900万回の動画再生と7120万エンゲージメントを記録した。順位は3つ上げて5位となった。
VITの約18%は、Pharrell Williamsがクリエイティブディレクターとしてパリで発表した2027年春夏メンズショー当日の6月23日に発生した。同時期には、Louis VuittonとUNICEFによるワールドカップ関連書籍も展開され、ランウェイとは別の文脈を加えた。
上位投稿は音楽、エンターテインメント、セレブリティ領域にまたがる顔ぶれから生まれた。地域別では米国がVITの49%を占め、タイが24%、韓国が14%で続いた。
地域、クリエイター階層、キャンペーン別に成果を分解
Celineでは韓国が6月のVITの27%を占め、全市場で最大だった。Traackrは、単一国だけでなく地域や世界全体でブランドと競合の成果を比べる多市場ベンチマークの活用を示している。
Jacquemusの分析では、ショーの来場者のうち誰が最も注目を生んだかを、ブランドへの反応量から見ている。Louis Vuittonについては、同じ期間に重なった複数のブランド施策を、エンゲージメント率、投稿量、エンゲージメント単価、投稿単価で比較する方法が挙げられた。
Traackrは最終的に、ブランドごとに注目を得る道筋は一つではないと整理した。新しいImpact Plannerを使うことで、自社のクリエイターマーケティング成果を競合と比較できるとしている。
What this means
2026年6月に順位を上げた5つのラグジュアリーブランドは、単に投稿量を増やしたのではなく、ツアー衣装、アンバサダー関係、ショー、ポップアップ、社会的企画など、異なる接点から注目を集めた。Traackrの分析は、クリエイターの規模、地域、継続性、キャンペーン別の成果を分けて見る重要性を示している。